2014年4月9日水曜日

濁った池とマシな池

ホシガタケイソウとオビケイソウ
かいぼりをしたお茶の水池とボート池の水がきれいです。澄んでいるとは言えないものの、気持ちよく感じる程度に透明度が保たれています。それに対して、かいぼりをしなかった弁天池の水は、かいぼり前より濁っています。比較のため井の頭池の5か所(ひょうたん池の保護池、ボート池尻、七井橋、お茶の水池の野口雨情碑付近、および弁天池仕切り付近)で、水の濁りの主因である水中のプランクトンを観察してみました。

どの場所でも、大部分を占めていたのは珪藻でした。星形につながったホシガタケイソウが優先していて、次に多かったのがコイル状や棒状につながったアウラコセイラの仲間です。フナガタケイソウやオビケイソウも見られました。緑藻(クンショウモ、ボルボックス)、鞭毛虫(ツノオビムシ)も見つかりましたが、ごくわずかでした。ラン藻はなかったと思います。動物プランクトンはワムシがけっこういました。ケンミジンコの幼生が見つかりましたが、ミジンコ類の発生はまだのようでした。結局、存在するプランクトンの種類は5か所ともほとんど同じで、その量(密度)が違うのだと分かりました。水中の栄養素(窒素、リンなど)の量が違うのでしょう。

弁天池の富栄養度が増した原因は、仕切りができたため水の入れ替えが十分行われなくなったことと、かいぼりで捕獲したコイ、ヘラブナ、ギンブナ、ナマズなどを全部弁天池に放したため、生き物密度が非常に高くなったからでしょう。それに対して、かいぼりをした池の富栄養度が減少したのは、ひとつには、完全に乾かなかったとはいえ、少しは底泥を大気にさらすことができたからかもしれません。また、たくさんいたコイやフナが一掃されて汚染源が減ったことも大きく効いていると思います。さらには、その結果増えたユスリカが栄養素を池の外へ運び出してくれているのも、多少影響している気がします。池干しの効果は今後しだいに失われていきますが、コイなどが減った効果や、ユスリカの活躍は今後も続くはずです。



0 件のコメント:

コメントを投稿