2012年4月4日水曜日

後を絶たない無断放流

今日は万一バスに産卵の兆候が見られた場合のための予備日でしたが、少人数で保護池の手入れを実施しました。水の循環を改善するため水の出入り口の網を掃除する必要が出てきたからです。ついでに、保護池の水面に浮かんでいる落ち葉やゴミの除去も行いました。それだけの作業だったのに、発見がいくつかありました。

掬った落ち葉の中から、トウヨシノボリが1匹見つかりました。先日の調査では1匹もカゴワナに入らなかったので心配していたのですが、少なくとも絶滅はしていないことが分かったわけです。それは良い発見でした。


悪い発見もありました。保護池の柵とひょうたん橋(太鼓橋)との間で、写真の水草が見つかったのです。いずれも切れ端で、長いほうはオオカナダモです。ペットショップなどでは「アナカリス」という名前で売られています。繁殖力が強いので、要注意外来生物に指定されています。短いほうはこれも外来水草のハゴロモモのようです。こちらは「カボンバ」という名前で売られていて、野生化しているところもあるそうです。いずれも「金魚藻」としてよく使われています。外来の水草を池に捨てること自体問題なのですが、魚か何か、水槽で飼っていた生き物を水草と一緒に持ってきて、池に放した可能性が高いと思います。そうならもっと問題です。それと関係があるかどうか分かりませんが、外来種の巻貝「サカマキガイ」を井の頭池で初めて見つけました。保護池の柵の内側でです。

池の生き物の調査をしていると、金魚やヒメダカ、グッピーなど、明らかに元ペットだと分かるものがしばしば見つかります。飼っていた生き物を井の頭池に捨てる人が後を絶ちません。もっと見分けがつきにくい生き物もたぶんいろいろ放されていると思います。池で増やそうと無断放流する人もいるようです。もしそれが繁殖を始めるとコントロールできなくなり、池の生態系が大きく変わってしまいます。絶対にやめてもらいたいものです。

我々はすでにいる特定外来生物の駆除をボランティアで続けていますが、新たに無断放流/放逐された生物の駆除はボランティアとはいきません。放した人に作業費を請求します。

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