写真は昨年4月17日、オオクチバスの産卵チェックをしているところです。池がこんなに浅いわけではなく、水中の人工物(通称:土管)の上で作業をしているのです。元々は水生植物を生やすためだった土管にバスが好んで産卵することを見つけてからは、池の3箇所に計20基ある土管は繁殖抑制の最重要拠点になりました。卵が見つかれば除去します。卵は3日ほどで孵化するので、その時期は毎週2回のチェックが欠かせません。昨年は、浅い場所に設置した伊豆沼式人工産卵床も含めて、計49回産卵を発見し、卵を除去しました。
それ以外の場所で誕生した稚魚は網で捕獲します。昨年は夜に稚魚を捕獲する方法を試し、成果を上げました。昼間は逃げ足の速い稚魚が、夜は岸辺でボーっと群れていて、岸から網で掬い放題に掬えることを発見したのです。
さらに成長した若魚、大きな成魚は、手釣り(竿を使わない釣り)で捕獲しています。卵を除去しても成魚が残っていればまた産卵するし、成魚を獲っても若魚がすぐに大きくなるので、成長段階すべてに捕獲圧をかけることが重要と考えています。
我々は活動開始以来、その努力と工夫を続けています。他の地域で活動されている方々に教えを請うとともに、井の頭池をよく観察して、外来魚の知られていない習性の発見や、井の頭池に適した手法の開発に努めています。井の頭かんさつ会は自然観察者の集まりですから、生き物の観察は得意です。1月末の琵琶湖での「外来漁情報交換会」では、我々が発見・考案した夜のバス稚魚捕獲ついても発表し、多くの質問をいただきました。
以上のような活動の結果、井の頭池のオオクチバスは確実に減っています。
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