2011年6月30日木曜日

夜のバス稚魚捕獲結果


土管での繁殖抑制活動はかなりの成果を上げていますが、それだけでは十分ではありません。井の頭池では、その他の場所でもバスが産卵しているようで、稚魚の群れが見つかります。

そこで、昨年計6,418匹のバス稚魚を捕獲した「夜のバス稚魚捕獲」を今年も実施しました。バス稚魚は夜岸辺で群れて眠っていることがあり、岸辺から簡単に網で掬えることを昨年発見したのです。

今年は5月中旬から6月末までの期間に計22日夜の巡回を実施し、そのうち稚魚(または仔魚)の群れを見つけたのは12日でした。その結果、全長20mm以上の稚魚を計11,912匹捕獲できました。また、全長20mm未満の稚魚(仔魚扱い)も2度大量に捕獲しました。同じ期間の昼間に捕獲したバス稚魚は計824匹でしたから、夜の捕獲がいかに効率良いかが分かると思います。なお、大量に獲れた場合の捕獲数は100匹または200匹の重量から換算しているので、多少の誤差がありえます。

夜の捕獲活動には難しい点もあります。その第一は人の確保が難しいことです。生活のパターンを変える必要があるので、参加できる人は限られます。私は吉祥寺へ買い物に出かけるのを夜にずらして、そのついでに池を巡回しています。もし群れが見つかると、近くに住む仲間に連絡して、網やバケツを持ってきてもらいます。 夜の岸辺は危険度も増します。井の頭池のような、岸辺の形が単純で街灯もある、公園の池だからできることかもしれません。

とても強力な夜の捕獲ですが、残念ながら、バス稚魚の群れは夜は”必ず”岸辺で眠るわけではないようです。昼間見つけた群れを夜に発見できないことも多いのです。獲り残した稚魚は別の手段で捕獲するしかありません。

2011年6月25日土曜日

繁殖抑制活動結果

6月8日を最後にオオクチバスの産卵が見つからなくなったので、4月9日から毎週2回続けてきた繁殖抑制活動を今日で終了とし、ひょうたん池の人工産卵床5基も撤収しました。

この間に卵を発見して除去した回数はバスが58回、ブルーギルが36回にのぼりました。卵が見つかったのはほぼ全部が計20基ある土管(コンクリート沈床)で、人工産卵床への産卵は1回だけでした。なお、卵を守っているバスの雄親魚をほとんど捕獲できなかったので、卵を除去した後に再び産卵したため発見回数が増えている可能性があります。

浮上後のバス仔魚を大量に捕獲したことも計5回ありました。ちなみに我々は、大量捕獲が容易な全長20mm未満の稚魚は仔魚として扱い、捕獲個体数でなく、群れの捕獲回数で記録しています。

産卵前の成魚を捕獲することも繁殖抑制に有効です。この期間に手釣り、およびオダアミ、刺網で捕獲したバス成魚(全長25cm以上)は50匹で、そのうち産卵前のメスが少なくとも12匹いました。(全部を解剖したわけではないので、もっといると思います。)

本格的に繁殖抑制活動を始めて3年目ですが、土管への産卵回数は年々増えています。逆に、ひょうたん池の人工産卵床への産卵回数は減っています。バスがはたして増えているのか減っているのかは、今後も調査を続けないと判断できません。現時点ではっきりしているのは、もし繁殖抑制活動を行わなかったら、ものすごい数の稚魚が誕生したことです。

今後は、土管以外の場所で誕生した稚魚の捕獲と、成魚の捕獲に注力することになります。

ブルーギルが土管に頻繁に産卵したのも今年の特徴です。繁殖コロニーに群れているギルは手釣り可能で、多くの親魚を捕獲すれば、コロニーが崩壊することが分かりました。ギルの産卵期は9月ごろまで続くので、引き続き手釣りによる監視を続けます。