2011年8月14日日曜日

二千人

写真は13日の夕方から行われた第75回井の頭かんさつ会のオープニング時のようすです。大人27名、子供(中学生以下)10名の計37名の方にご参加いただき、スタッフ7名と一緒にナイトウォッチングを楽しみました。

じつは、第1回からのかんさつ会参加者数の累計が今回で二千人を超えました。いつの間に!?という感じですが、続けることは大切ですね。

我々は便宜上、自分たちの活動を自然観察会の開催と自然環境保全活動の二つに分けていますが、本当は自然観察会の開催も自然環境保全活動の一部です。身近な自然で起きている問題のほとんどは、人々が関心を持っていなかったため起きており、関心を持たない理由は知らないからです。身近な自然の面白さと素晴らしさを知れば、その大切さに気づき、それを守りさらに良くしたいという気持ちになります。そういう人を増やすのが、我々が身近な自然観察会を開いているいちばんの目的です。

延べ二千人が正味何人なのかは集計していませんが、井の頭公園の自然の理解者、あるいはファンが数百名は増えたことと思います。今回は37名の参加者のうち25名が初参加の方でした。

2011年6月30日木曜日

夜のバス稚魚捕獲結果


土管での繁殖抑制活動はかなりの成果を上げていますが、それだけでは十分ではありません。井の頭池では、その他の場所でもバスが産卵しているようで、稚魚の群れが見つかります。

そこで、昨年計6,418匹のバス稚魚を捕獲した「夜のバス稚魚捕獲」を今年も実施しました。バス稚魚は夜岸辺で群れて眠っていることがあり、岸辺から簡単に網で掬えることを昨年発見したのです。

今年は5月中旬から6月末までの期間に計22日夜の巡回を実施し、そのうち稚魚(または仔魚)の群れを見つけたのは12日でした。その結果、全長20mm以上の稚魚を計11,912匹捕獲できました。また、全長20mm未満の稚魚(仔魚扱い)も2度大量に捕獲しました。同じ期間の昼間に捕獲したバス稚魚は計824匹でしたから、夜の捕獲がいかに効率良いかが分かると思います。なお、大量に獲れた場合の捕獲数は100匹または200匹の重量から換算しているので、多少の誤差がありえます。

夜の捕獲活動には難しい点もあります。その第一は人の確保が難しいことです。生活のパターンを変える必要があるので、参加できる人は限られます。私は吉祥寺へ買い物に出かけるのを夜にずらして、そのついでに池を巡回しています。もし群れが見つかると、近くに住む仲間に連絡して、網やバケツを持ってきてもらいます。 夜の岸辺は危険度も増します。井の頭池のような、岸辺の形が単純で街灯もある、公園の池だからできることかもしれません。

とても強力な夜の捕獲ですが、残念ながら、バス稚魚の群れは夜は”必ず”岸辺で眠るわけではないようです。昼間見つけた群れを夜に発見できないことも多いのです。獲り残した稚魚は別の手段で捕獲するしかありません。

2011年6月25日土曜日

繁殖抑制活動結果

6月8日を最後にオオクチバスの産卵が見つからなくなったので、4月9日から毎週2回続けてきた繁殖抑制活動を今日で終了とし、ひょうたん池の人工産卵床5基も撤収しました。

この間に卵を発見して除去した回数はバスが58回、ブルーギルが36回にのぼりました。卵が見つかったのはほぼ全部が計20基ある土管(コンクリート沈床)で、人工産卵床への産卵は1回だけでした。なお、卵を守っているバスの雄親魚をほとんど捕獲できなかったので、卵を除去した後に再び産卵したため発見回数が増えている可能性があります。

浮上後のバス仔魚を大量に捕獲したことも計5回ありました。ちなみに我々は、大量捕獲が容易な全長20mm未満の稚魚は仔魚として扱い、捕獲個体数でなく、群れの捕獲回数で記録しています。

産卵前の成魚を捕獲することも繁殖抑制に有効です。この期間に手釣り、およびオダアミ、刺網で捕獲したバス成魚(全長25cm以上)は50匹で、そのうち産卵前のメスが少なくとも12匹いました。(全部を解剖したわけではないので、もっといると思います。)

本格的に繁殖抑制活動を始めて3年目ですが、土管への産卵回数は年々増えています。逆に、ひょうたん池の人工産卵床への産卵回数は減っています。バスがはたして増えているのか減っているのかは、今後も調査を続けないと判断できません。現時点ではっきりしているのは、もし繁殖抑制活動を行わなかったら、ものすごい数の稚魚が誕生したことです。

今後は、土管以外の場所で誕生した稚魚の捕獲と、成魚の捕獲に注力することになります。

ブルーギルが土管に頻繁に産卵したのも今年の特徴です。繁殖コロニーに群れているギルは手釣り可能で、多くの親魚を捕獲すれば、コロニーが崩壊することが分かりました。ギルの産卵期は9月ごろまで続くので、引き続き手釣りによる監視を続けます。

2011年4月16日土曜日

捕獲後の作業

外来魚の調査は捕獲した数を記録するだけでは終わりません。主だった個体は大きさ(全長)と重量を測定し、さらに解剖して卵巣/精巣のようすや胃の中身を調べます。それによって、産卵が終わっているかどうかが分かるし、何を食べているか、つまり、その種類の外来魚が池のどんな生き物に影響を与えているかが分かります。その他の小さな個体は、あとで大きさが分かるように並べて写真を撮り、まとめて重量を測ります。

今日の活動では、オオクチバス10匹とブルーギル11匹を捕獲しました。バスのうち6匹がメスで、いずれも成熟した大きな卵巣を持つ産卵前の個体でした。オスも放精前でした。産卵チェックでは5箇所で卵を見つけ除去したのですが、産卵前の成魚の捕獲は、それ以上の繁殖抑制効果があることになります。

今日は水温が上昇し、獲れたもの以外にも多くの魚影が見られました。池にはバスもギルもまだまだたくさんいます。

2011年4月9日土曜日

在来魚の避難場所

西園にあるプールです。水泳用としては2003年で使用が終わりましたが、2008年からは井の頭池の在来魚(モツゴとトウヨシノボリ)の避難場所として使用しています。しかし、西園の改修計画にともない、来年度早々に取り壊されることになったそうです。我々は、井の頭池のかい掘りが実現して外来魚が一掃されるまでプールを残してほしいと要望してきましたが、それは叶いそうにありません。

今日は生息状況の調査を行いました。昨年の猛暑のせいか水質は以前より悪化し、大地震のせいで浮かんでいた構造物はパラバラになっていましたが、カゴワナを入れて調べたら、モツゴとトウヨシノボリはちゃんと生存していることが分かりました。また、一緒に、ヒキガエルのオタマジャクシがたくさん入りました。夏には数種類のトンボのヤゴもたくさん見つかります。井の頭池が外来魚に占拠されている現在、生き物たちにとって貴重な場所です。

今日獲れた生き物(モツゴは200匹近く、トウヨシノボリは20匹ほど)は井の頭池に戻しました。まだ時期尚早で、バスの餌になるだけかもしれませんが、なんとか生き残り、次世代を残してほしいと思います

まだプールに残っている在来魚をどうするかが課題です。モツゴもトウヨシノボリも貴重種ではないので、池で絶滅したら他の場所から持ってくればよい、という意見もありますが、遺伝子のことまで考えると、井の頭池の在来魚を保護して増やすのがベストです。我々としては、プールに代わる在来魚の避難場所を作ってもらうよう、要望していくつもりです。

2011年3月26日土曜日

冬季漁法終了

この度の大震災で被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りします。

ここ東京でも、厳しい状況が続く原発事故や、電力不足による計画停電などの影響により、人々の気分が暗くなりがちで、活力がやや落ち込んでいるように見えます。その一方で、自然の営みは地震の直後から停滞することなく回り続けています。ですから我々も、震災に気分的に負けることなく、自然観察会や環境保全活動を続けています。

今日は、この冬最後の「外来魚捕獲実験」を行いました。 今日で、冬季の漁法(石橋下の追い込み漁と岸辺でのガサガサ)は終了です。12月25日から今日までの期間に捕獲したブルーギルは計1,178匹でした。昨季の約3分の1です。この結果が池全体のギル生息数の変化を正確に反映しているわけではないと思いますが、ブルーギルがだいぶ減ったのは確実です。オオクチバスも間違いなく減っています。4月からは、それらの再生産(繁殖)を阻止するための繁殖抑制活動に移行します。 ガサガサでは、在来の魚やエビも獲れるので、その状況もある程度分かります。残念ながら、外来魚の減少に反比例して在来種が増えているわけではないのが実状です。もっと外来魚を減らす必要があるということでしょうか。

写真は、お茶の水池の一角で獲れたエビです。大きい二匹がスジエビの成体、小さい三匹はテナガエビの稚エビです。この冬、スジエビがまったく獲れなかったので心配していました。右側のスジエビはお腹に卵を持っています。増えるといいのですが。

2011年3月7日月曜日

外来魚の減らし方・バス編

写真は昨年4月17日、オオクチバスの産卵チェックをしているところです。池がこんなに浅いわけではなく、水中の人工物(通称:土管)の上で作業をしているのです。元々は水生植物を生やすためだった土管にバスが好んで産卵することを見つけてからは、池の3箇所に計20基ある土管は繁殖抑制の最重要拠点になりました。卵が見つかれば除去します。卵は3日ほどで孵化するので、その時期は毎週2回のチェックが欠かせません。昨年は、浅い場所に設置した伊豆沼式人工産卵床も含めて、計49回産卵を発見し、卵を除去しました。

それ以外の場所で誕生した稚魚は網で捕獲します。昨年は夜に稚魚を捕獲する方法を試し、成果を上げました。昼間は逃げ足の速い稚魚が、夜は岸辺でボーっと群れていて、岸から網で掬い放題に掬えることを発見したのです。

さらに成長した若魚、大きな成魚は、手釣り(竿を使わない釣り)で捕獲しています。卵を除去しても成魚が残っていればまた産卵するし、成魚を獲っても若魚がすぐに大きくなるので、成長段階すべてに捕獲圧をかけることが重要と考えています。

我々は活動開始以来、その努力と工夫を続けています。他の地域で活動されている方々に教えを請うとともに、井の頭池をよく観察して、外来魚の知られていない習性の発見や、井の頭池に適した手法の開発に努めています。井の頭かんさつ会は自然観察者の集まりですから、生き物の観察は得意です。1月末の琵琶湖での「外来漁情報交換会」では、我々が発見・考案した夜のバス稚魚捕獲ついても発表し、多くの質問をいただきました。

以上のような活動の結果、井の頭池のオオクチバスは確実に減っています。